いよいよ新学期。例えば私立中学校に入学したお子さんは、ほとんどのコがこれまでよりも早起きになり、さらに電車通学という関門はあるにせよ、晴れて誰にも文句言われることなく、部活に遊びに自由を満喫するぞ~!と思っていることでしょう。初めての電車通学で、見聞きするもの全てが興味深く、そこここに魅惑的な寄り道場所のあるコもいるでしょう。様々なことに意欲を持ってチャレンジすることはとても大切です。
しかし、あるひとつのことを忘れてしまったり、或は気づかないでいると、そこには大きな大きな落とし穴があるのです。
同じ学校に入学した仲間は、自分と同等レベルの学力を持っているということ、忘れていませんか。受験勉強の時に、嫌でも目にした偏差値表のランキングは、すなわち、自分も含めて周りもそのランクにいるということ。いや、自分より力のある子がいても不思議ではありません。
マラソンのスタートラインを思い浮かべてください。何十人もがひしめき合い、いざスタートとなると、力のある選手がガッと抜きんでる光景が、中高一貫校に入学した子供達に、まさに今これから起きようとしているのです。あのスタートラインで、走るのはおろか、スタートも切らずに遊んでいたらどうなるでしょうか。出遅れるばかりでなく、気づいて走り出し時には、先頭集団がゴールしていたとか、いくら全速力で走っても追いつくことが不可能なまでに差をつけられてしまうことも起こりうるのです。
失敗は成功の素。正しい失敗をすれば、それが原動力となり、素晴らしいパフォーマンスを生み出す可能性があります。
一方で、成功は失敗の温床。どんなに得難いものを手に入れても、その感動は一過性。正しい成功体験とは、努力して手に入れることの醍醐味を知ることですから、ある一つの目標を達成し、この上なく甘い果実を味わったら、噛んで噛んで味がなくなる前に、新たな醍醐味は手に入れることができることを、周りの人間は気づかせてあげなくてはなりません。
次なる目標に向かって進むこと。そうすれば、目の前に潜んだ落とし穴はなくなり、成功の自信という果実を味わいなら、成長し続けることが可能なのです。
作者:Celine
大学1年生、浪人生、国立中学生の3人の母。某大手中学受験塾にて講師、普段は秘書職