※写真はイメージです(本文と若干の関係はあります)
さて前回からの続きです。僕がある学校の見学を通して考えたこと、感じたことを書き連ねていくので、そこがどの学校なのか当てましょう、という話です。
まあ難しいと思いますが頑張りましょう。
・見学した時の印象
①清潔感
→これは閑静な住宅街に佇む大きな一軒家である学校の建物に入った瞬間から感じたことです。部屋の隅々まで掃除が行き届いているように見え、ここで日々を過ごす生徒やスタッフさんたちの丁寧な仕事ぶりが感じられました。正直僕の今までの経験上、もし普通の学校でここのように生徒が主体的に活動するようになれば掃除はせず、時間の経過と共に汚くなっていくように思ったので、これは意外な驚きでした。例えば僕が在籍していた公立学校の中の、先生などがあまり干渉してこないという意味でその環境がある意味生徒の主体性にほぼ依存している部室(無法地帯とも呼べますね)などはたいていどこも取っ散らかっていましたし、しかもたいていその部活独特な異臭がしました(野球部とサッカー部一体どっちが臭いんだ選手権!!みたいな勝負も恒例になっていました)。
→ちなみにあとで学校から頂いた資料を詳しく読んだところ、この学校では設立した当初から「掃除をしよう」とはあえて言わなかったらしく、結局半年ほどたち室内や設備の汚れがかなり酷くなってきた時点で、各々に「やはり掃除は大切だ」という共通認識が生まれ、現在の「全員で掃除をする」というルールが作られたそうです。まさに必要は発明の母というか、この学校の「人は本当にやりたい、必要だと感じた時に一番よく学ぶ」という考えにしっかり合致していると思いました。どんなことにも納得を求める。その姿勢がはっきりと感じ取れます。
②透明性
→次に僕が驚いたことが、学校の経営状況を示す財務諸表が誰でも見ることができる場所に張り出されていたことです。その中にはスタッフがいくら給料を貰っているのか、収入としての学費はいくらなのか、年間の収支はいくらなのか、といったことが細かく記載されていました。要するに会社で言う経理そのものですね。しかも張り出されているのみならず、実は学校の経営にはそれを望めば誰でも参加できるそうで実際に関わっている生徒もいるらしいです。そして経営のみならず、その他全てのスクールに関わる事柄、スタッフの雇用や入学希望者の受け入れ、学校の建物の賃貸契約に至るまで(ちなみに現在の物件は20件以上みんなで内見して決めたところらしいです)を生徒とスタッフそして保護者みんなで決めていくそうです。
→なので明らかに学校の決定事項に透明性があり、誰もが納得して物事を進めていくことができます。つまり例えば、「なぜこの学費なのか」という問いに対する根拠も簡単に知ることができ、もし疑問があればミーティングに議題として提出し議論することができるのです。
→当たり前ですが、このような場所では「なんか騙されているしれない」のような他人への不信感や「なんでこんなもんに従わないといけないんじゃ」のような他人への反抗心がとても生まれづらいでしょう。逆にここまで透明性が高ければその分、「知らない(知らなかった)のは自分の責任だ」と明確に宣告されていることと同義なので、自己批判的又は自己反省的にならざるをえないでしょうね。「このスクールはとことん自分と向き合うところ、自分の心に深く深く潜っていくところです」と穏やかな雰囲気のスタッフさんが仰っていましたが、まさにそうならざるをえないような環境だと思いました。
③生徒の自立性
→正直短い時間での見学だったので、生徒たちの人となりや性格は全く分かりませんでしたが、一つ言えることは彼らが同年代の子供たちと比較して、とても自立して、つまり堂々と振る舞っているように見えたことです。恐らく年齢による差が少ない環境だからだと思いますが、年上の人に対しても物怖じするような気配があまりありませんでした。
以上で今回は終わりです。さあどこの学校か分かりましたか?次回で答えが分かるのでそれまでわじわじしながら待っててください。
作者:兼子仁志
編集部