9月の声を聞くや、センター試験の出願時期。大学受験もいよいよ終盤戦に突入ですね。
AO入試では既に出願が終わっているところもあり、指定校推薦の場合、評定平均の数値と志望校の駆け引きの真っただ中でしょう。
一般入試以外の受験生は、まさに最終トラックを全速力で走り抜けようとしている頃と思います。
指定校推薦は、昔からある方式で、成績やその他を評価し、学校側が「この生徒をお願いします」と推薦する制度。
校内の選抜を通れば、まず間違いなくその大学の合格を手にすることができるものです。
一方、AOや自己推薦は、ある一定以上の成績や、大学の付加する条件をクリアする者が出願資格を得て出願できる入試制度。
書類審査の一次に合格すると、二次は面接、小論文などのペーパーテスト、あるいは受験生同士のディスカッションなど、
個々の大学が課す試験をクリアして初めて合格することができるものです。
一般受験以外の入試方式で受験できるのは、高校の成績や素行がよく、かつ、スポーツや、語学力、その他、何等かの秀でた力を持つコ。
しかし、学校の成績は学校によってレベルは様々であり、偏差値70ランクの高校と、50ランクの高校の在学生では、たとえ評定平均が
4.3あったとしても、全く実力は違うと言えます。
それなのに、評定が出願の条件に入っているのは、レベルは違えど評定平均の高さは、学校の勉強をまじめにコツコツと取り組んできたという証拠。
学校の勉強をコツコツと取り組める資質は、どれだけできるか、ではなく、どれだけ努力ができるか、という指標ともなり得るでしょう。
つまり、AO入試で見る力とは、「非認知能力」と絶対的評価を測れる語学などの実績。
「非認知能力」とは、数字で学力を表す偏差値とは違い、意欲や忍耐力、自制心、想像力、回復力と対応能力などのこと。
アメリカでの研究では、テストの成績の良い(=認知能力が高い)生徒たちよりも、学校の成績が良い(=非認知能力の高い)
生徒たちの方が、大学を中退せずに卒業していくという調査結果もあるそうです。
大学入学後にどれほど意欲的に学習に取り組める力があるかを見極め、物事に対して真面目に取り組む資質を持った生徒を選ぶ制度がAO入試と言えるでしょう。
作者:Celine
大学1年生、浪人生、国立中学生の3人の母。某大手中学受験塾にて講師、普段は秘書職