夏休みも佳境に入りましたね。海に山に海外に、子供たちは夏休みを堪能していることと思います。
しかし、受験を控えた、特に6年生の子供たちとご家族にとっては、恐らく「遊び」の二文字を封印した夏を過ごしていることでしょう。
私も先日より夏期講習を担当しています。担当は国語ですが、子供たちを見ていて感じるのは、国語というのは、それまでの経験値と得意不得意には相関関係があるということ。
これは私見なのですが、5年までは、特に物語と詩の問題においては、どれだけ経験をしてきたかということが読解力を大きく左右すると考えます。
例えば、物語では登場人物の心情を問われますが、様々な点から心情を類推するに、経験がなければ想像もつきません。もちろんたかだか12歳に大した経験はありません。ではどうすればいいか。それを補てんするのは「読書」です。
本を読むことで、こういう考え方があるのか、こんな感じ方があるのかという疑似体験を積むことができます。
また、詩を読んだ時。山中の迸る源流、という表現があったとき、それを頭の中で描くことができるのは、実際に見たことがあるコと、テレビでも画像でも、そうした景色を見たことがあるコ。どちらも経験がないと全く想像ができない=解答できないはずです。
説明文の場合はどうでしょう。本来説明文、論説文は、いかに自分の主張を理解してもらうかということを考え論理を組み立て、理解しやすいよう書きます。それなのに、難しい、わからないと投げてしまう子供も少なくありません。説明文になると解けないというコの多くは、漢語マジックに騙されていることが多いと思われます。つまり、二字の熟語になると、とたんに難しく聞こえてしまうマジック。漢語が多用されているために、内容までが難しいと思い込んでしまうパターンです。
例えば、「探索」を「探す」、「軌跡」を「足あと」、「執着」を「こだわる」と置き換えられれば、そのアレルギーは発症することなく、ストンと意味が腑に落ちていくことでしょう。
こちらも対処法としては、例えば親子で新聞を読み、馴染みのない言葉を親御さんが噛み砕いて教えてあげたり、小学生向けの、難しい言葉を興味深く説いている本を読むなどして語彙を増やしていくことが、説明文の読解力をつける一つの方策といえるでしょう。
6年生になれば実践が多くなりますから、5年の夏休みまでは、遊びも学び、多くの経験をすることが、中学受験のみならずその後もプラスとなる国語力となっていくと考えます。
作者:Celine
大学1年生、浪人生、国立中学生の3人の母。某大手中学受験塾にて講師、普段は秘書職