この2月から中学受験塾に通い始め、中学受験に一歩踏み出した方も多いと思います。首都圏に限って言えば、私立中学進学は特別なことではなく、中学校選択肢の中で堂々たる地位を占めてもいます。
ところが、本当に”入りたい学校があるから”というような目標が明確で受験勉強をスタートさせるコ(親もですが)は、案外少数派の部類でしょう。特に3年生2月の段階でよくあるのが「○○ちゃんが塾に行くから、ボクも(ワタシも)行く。だって遊ぶ相手いなくなっちゃうもん」というパターン。4年生で週2回、5年では3回、6年に至っては週4回にも上る通塾回数ですから、一人ぼっちの放課後を過ごす恐怖感は、3年生でも容易に想像できるもの。また、女の子に多いのが、私もいかないと仲間外れになってしまうから、という理由。親としても、とりあえずやりたいっていうからやらせてみるわ、とか、学童がなくなるから、その代替として通わせることが多いのも現状です。それでも勉強を始めていくうちに意識も変化し、心身共に健全な中学受験生(笑)へと成長していくことも多いもの。
しかし、なんとなく受験を始めてみたものの、想定外の課題に追われ、夜も早く寝られず、おまけに成績が上がらないという三重苦を背負い、親子共に苦しむケースも少なくありません。さらに受験勉強に投資した金額がかさめばかさむほど、そのまま荊の道を進むしかなくなり、結果「これだけお金をかけているのに、どうしてできないのっ?」というNGワードを発してしまうことも。
きっかけはお友達と一緒に通いたいから、でもいいのですが、勉強を続けていく過程で、明確な目的意識を持たせてあげることは、辛い三重苦に陥らないためにも、もちろん受験をする本来の意味に立つためにも、親として求められる任務だと言えるでしょう。
作者:Celine
大学1年生、浪人生、国立中学生の3人の母。某大手中学受験塾にて講師、普段は秘書職